うつ病で退職|傷病手当金と失業保険の正しい受給順番を解説

心の病

うつ病で退職する際の傷病手当金と失業保険の受給順番は、傷病手当金を先に受給し、その後失業保険に切り替えるのが最も有利です。この順番で申請することで、条件が整えば最大で約28か月から30か月もの間、何らかの給付を受けることが可能になります。本記事では、うつ病で退職を検討している方に向けて、傷病手当金と失業保険それぞれの制度概要から申請方法、そして両制度を最大限活用するための受給順番について詳しく解説します。

うつ病を患い、仕事を続けることが困難になった場合、退職という選択肢を検討せざるを得ないことがあります。しかし、退職後の生活を支えるためには、利用できる公的支援制度について正しく理解し、適切な順番で申請することが非常に重要です。傷病手当金と失業保険は対象となる状況が正反対の制度であるため、両方を効果的に活用するには正しい知識と計画的な手続きが欠かせません。

傷病手当金と失業保険の基本的な仕組み

傷病手当金とは、健康保険の被保険者が業務外の病気やケガで仕事を休み、給与が支払われなかったり減額されたりする場合に支給される給付金です。この制度は、仕事を休んで十分な給与を受けられない間、本人とその家族の生活を保障するために設けられています。うつ病は「業務外の病気」に該当するため、傷病手当金の対象となります。ただし、うつ病の原因が明らかに業務に起因する場合、たとえばパワハラや過重労働などが原因である場合は、労災保険の対象となる可能性があることも覚えておく必要があります。

傷病手当金の支給期間については、令和4年1月1日の法改正により、支給開始日から通算して最長1年6か月となりました。以前は「支給開始日から1年6か月」という期間制限でしたが、現在は途中で働いた期間があっても、実際に傷病手当金を受給した日数が通算で1年6か月になるまで受給できる仕組みに変更されています。この改正により、体調に波があるうつ病患者にとって、より柔軟に制度を活用できるようになりました。

一方、失業保険は正式名称を「雇用保険の基本手当」といい、雇用保険に加入していた労働者が失業した際に、再就職活動中の生活を支援するために支給される給付金です。重要なポイントとして、失業保険を受給するためには「働く意思と能力がある」ことが条件となっています。つまり、病気やケガで働けない状態の人は、失業保険を受給することができません。うつ病で退職した場合、まだ働ける状態に回復していなければ、失業保険ではなく傷病手当金を受給することになり、体調が回復して求職活動ができる状態になって初めて失業保険の受給資格が得られます。

傷病手当金と失業保険の決定的な違い

傷病手当金と失業保険は、対象となる状況が正反対であるという点が最も重要な違いです。傷病手当金は「働けない人」のための制度であり、病気やケガにより労務不能であることが支給の条件となります。これに対して失業保険は「働ける人」のための制度であり、心身が健康で働ける状態にあり、積極的に求職活動を行っていることが支給の条件となります。

このような性質の違いから、傷病手当金と失業保険を同時に受給することは原則としてできません。どちらか一方を選択する必要があり、両方の制度を有効活用するためには、受給する順番を正しく理解することが不可欠です。

うつ病で退職する場合に推奨される受給順番

うつ病で退職する場合に推奨される受給順番は、第1段階として傷病手当金を最長1年6か月受給し、第2段階として失業保険を90日から最長360日受給するという流れです。この順番で受給することで、条件が整えば最大で約28か月から30か月もの間、何らかの給付を受けることが可能になります。

この順番が推奨される理由はいくつかあります。まず、傷病手当金の方が支給額が高い場合が多いという点が挙げられます。傷病手当金の支給額は標準報酬月額の約3分の2、つまり約67%です。一方、失業保険の基本手当日額は離職前6か月の賃金を基に計算されますが、年齢や賃金に応じて上限が設けられており、多くの場合、傷病手当金より低くなります。そのため、まずは支給額の高い傷病手当金を受給し、その間にしっかり療養することが経済的にも健康面でも有利です。

次に、失業保険の受給期間は延長できるという点も重要です。失業保険の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間ですが、病気やケガで働けない場合は最長で4年間まで延長することができます。傷病手当金を受給している間に「受給期間延長申請」を行っておけば、傷病手当金の受給終了後に失業保険を受給することが可能です。この延長手続きを行わないと、失業保険の受給資格を失ってしまう可能性があるため、非常に重要な手続きとなります。

さらに、傷病手当金を受給している間は求職活動を行う必要がないため、体調回復に専念できるという点も大きなメリットです。この期間を利用してしっかりと療養し、体調を回復させることができます。体調が十分に回復してから失業保険に切り替え、求職活動を開始することで、無理のない再就職活動が可能になります。

逆の順番で受給しようとすると発生する問題

先に失業保険を受給しようとすると、いくつかの深刻な問題が発生します。まず、失業保険を受給するためには「働ける状態」であることを証明する必要があり、うつ病でまだ働けない状態であれば、そもそも失業保険の受給資格がありません。

また、無理に「働ける」と申告して失業保険を受給した場合、実際には療養が必要な状態で求職活動を強いられることになり、体調の悪化を招く恐れがあります。うつ病は適切な治療と十分な休養が回復に不可欠な病気であり、無理をすることで症状が悪化したり、回復が大幅に遅れたりする可能性があります。

さらに、失業保険を受給している間は傷病手当金を受給できないため、本来受け取れるはずだった傷病手当金を逃してしまうことになります。傷病手当金は支給額が高い傾向にあるため、これを受給できないことは経済的に大きな損失となります。

傷病手当金の支給条件を詳しく理解する

傷病手当金を受給するためには、4つの条件をすべて満たす必要があります。第一の条件は、業務外の病気やケガであることです。傷病手当金の対象は業務外の病気やケガ、いわゆる私傷病に限られます。うつ病は通常この条件を満たしますが、業務が原因でうつ病を発症した場合は労災保険の対象となる可能性があります。

第二の条件は、療養のために労務不能であることです。「労務不能」とは、被保険者が今まで従事していた業務ができない状態のことを指します。うつ病の場合、医師の診断により労務不能と認められる必要があります。

第三の条件は、連続して3日間休業していることです。傷病手当金は連続して3日間仕事を休んだ後、4日目以降の休業に対して支給されます。この最初の3日間を「待期期間」といい、待期期間には土日祝日や有給休暇も含めることができます。

第四の条件は、給与の支払いがないことです。休業期間中に給与が支払われている場合、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の額が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給される仕組みになっています。

傷病手当金の支給額の計算方法

傷病手当金の1日あたりの支給額は、支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均額を30日で割り、その金額に3分の2を掛けて算出されます。例えば、標準報酬月額が30万円の場合、1日あたりの支給額は約6,667円となり、月額に換算すると約20万円となります。標準報酬月額が36万円の場合は、1日あたり約8,000円、月額約24万円となります。

健康保険に加入していた期間が12か月に満たない場合は、加入期間中の標準報酬月額の平均額と全被保険者の標準報酬月額の平均額のいずれか低い方の金額を基準として計算されます。

傷病手当金の申請手続きの流れ

傷病手当金の申請は段階的に進めていきます。まず、傷病手当金支給申請書を加入している健康保険組合または協会けんぽから入手します。多くの場合、ホームページからダウンロードすることも可能です。次に、申請書の本人記入欄に氏名、住所、口座情報、申請期間などを記入します。

申請書には医師が記入する欄があるため、通院している医療機関で療養の担当者である医師に証明を記入してもらいます。この際、診察料とは別に証明料として通常300円程度がかかります。在職中の場合は、事業主である会社に勤務状況や給与支払い状況の証明を記入してもらいます。退職後に申請する場合は、この部分は不要となる場合があります。

記入が完了した申請書を健康保険組合または協会けんぽに提出すると、審査が行われます。問題がなければ指定した口座に傷病手当金が振り込まれますが、審査には通常2週間から1か月程度かかります。申請のタイミングについては、給与の締め日ごとに1か月単位で申請することが推奨されています。まとめて数か月分を申請することも可能ですが、その間の生活費の確保が難しくなる場合があります。

なお、傷病手当金の申請期限は労務不能となった日ごとにその翌日から2年以内となっています。この期限を過ぎると時効により請求権が消滅してしまうため、注意が必要です。

退職後も傷病手当金を継続して受給するための条件

在職中に傷病手当金を受給していた場合、退職後も継続して受給することができますが、2つの条件を両方とも満たす必要があります。第一の条件は、退職日までに継続して1年以上、健康保険の被保険者期間があることです。「継続して1年以上」とは同じ健康保険に1年以上加入していることを意味しますが、転職などで健康保険が変わっていても、間を空けずに加入していれば通算して計算されます。

第二の条件は、退職時に傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしていることです。退職日に労務不能の状態であり、傷病手当金を受給しているか、受給できる条件として待期期間が完成しているなどの条件を満たしている必要があります。

重要な注意点として、退職日に出勤してしまうと退職後の傷病手当金を受給できなくなる場合があります。退職手続きのために会社に出社する必要がある場合は、必ず事前に会社や健康保険組合に確認してください。

失業保険の受給条件と離職区分

失業保険を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、雇用保険に加入していたことが必要で、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あることが求められます。ただし、うつ病による退職で「特定理由離職者」と認められた場合は、離職日以前の1年間に被保険者期間が6か月以上あれば受給資格を得られます。

次に、失業の状態にあることが必要です。失業とは「働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態」を指すため、まだ病気やケガで働けない状態の人は失業保険を受給することができません。さらに、求職活動を行っていることも条件となり、ハローワークに求職の申し込みを行い、積極的に求職活動を行う必要があります。4週間に1回、ハローワークに出向いて失業認定を受ける必要があり、その際に求職活動の実績を報告します。

うつ病で退職した場合、離職の理由によって「離職区分」が異なり、失業保険の給付内容に大きな影響を与えます。自分の意思で退職した場合は一般離職者として扱われ、7日間の待機期間の後、さらに2か月または3か月の給付制限期間があり、その間は失業保険が支給されません。

一方、病気やケガにより働くことが困難になったために退職した場合、「特定理由離職者」として認められる可能性があります。特定理由離職者に該当すると給付制限期間がなくなり、7日間の待機期間終了後すぐに失業保険の支給が始まります。うつ病で退職する場合は、医師の診断書を提出することで特定理由離職者として認められる可能性が高くなりますが、最終的な判断はハローワークが行います。

また、うつ病により精神障害者保健福祉手帳を取得している場合や、医師から長期間、概ね6か月以上の療養が必要と診断された場合、「就職困難者」として認定される可能性があります。就職困難者に認定されると給付日数が大幅に延長され、45歳未満の場合は最長300日、45歳以上65歳未満の場合は最長360日の給付を受けることができます。

失業保険の給付日数と支給額

失業保険の給付日数は離職理由、年齢、雇用保険の加入期間によって異なります。一般離職者として自己都合退職した場合、加入期間1年以上10年未満で90日、加入期間10年以上20年未満で120日、加入期間20年以上で150日となります。特定理由離職者の場合は一般離職者と同じ日数が適用されますが、給付制限期間がないためより早く受給を開始できます。就職困難者の場合は、45歳未満で加入期間1年以上なら300日、45歳以上65歳未満で加入期間1年以上なら360日となります。

失業保険の1日あたりの支給額である基本手当日額は、離職前6か月間の賃金を基に計算されます。賃金日額に給付率の50%から80%を掛けて算出されますが、給付率は賃金日額によって異なり、賃金が低いほど給付率が高くなります。また、年齢によって基本手当日額の上限が設けられています。

受給期間延長手続きの重要性

失業保険の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間ですが、病気やケガで30日以上働けない状態が続く場合は、受給期間を最長で4年間まで延長することができます。この延長手続きは傷病手当金を受給している間に必ず行っておく必要があり、手続きを怠ると傷病手当金の受給が終わった時点で失業保険の受給期間が過ぎてしまい、失業保険を受給できなくなる可能性があります。

延長手続きの申請時期は、離職日から30日以上経過した後、できるだけ早く申請することが推奨されています。申請先は住所地を管轄するハローワークで、必要書類として受給期間延長申請書、離職票、延長理由を証明する医師の診断書などの書類、本人確認書類が必要です。体調が悪くてハローワークに行けない場合は、郵送や代理人による申請も可能です。

傷病手当金から失業保険への切り替え手続き

傷病手当金から失業保険への切り替えは、傷病手当金の支給が終了する直前、かつ医師から「就労可能」と診断されたときがベストなタイミングです。傷病手当金の支給が終了するタイミングとしては、支給開始から通算1年6か月が経過した場合、体調が回復し労務不能でなくなった場合、その他の理由で支給が打ち切られた場合の3つのケースがあります。

切り替えの手続きとしては、まず医師から就労可能の診断を受けます。失業保険を受給するためには「働ける状態」であることが条件のため、医師から就労可能であるという診断書や意見書をもらいます。次に、ハローワークで受給期間延長の解除を行い、その後求職の申し込みを行って失業の認定を受けます。4週間に1回、ハローワークに出向いて失業認定を受け、求職活動の実績を報告することで、指定した口座に失業保険が振り込まれます。

切り替え時の注意点として、傷病手当金と失業保険を同じ期間に両方受給することはできないため、切り替えのタイミングは明確にする必要があります。また、傷病手当金を受給している間に必ず失業保険の受給期間延長の申請を行うことを忘れないでください。さらに、傷病手当金の支給が終了しても体調が十分に回復していない場合は、無理に失業保険に切り替えるべきではなく、障害年金や生活保護など他の支援制度の利用を検討することが大切です。

退職前に行うべき重要な準備

うつ病で退職を考えている場合、まず医師の診断書を取得することが重要です。診断書は傷病手当金の申請時、会社への休職または退職の申し出時、特定理由離職者の認定を受ける際、失業保険の受給期間延長を申請する際など、様々な場面で必要になります。診断書には病名、病状、療養の必要性、就労の可否などが記載され、診断書の作成には費用として通常3,000円から5,000円程度がかかります。

退職を決断する前に、まず休職という選択肢を検討することもお勧めします。休職には傷病手当金を受給しながら療養できること、体調が回復すれば復職できる可能性があること、健康保険の被保険者資格を維持できること、キャリアの断絶を防げることなど、多くのメリットがあります。多くの企業では休職期間の上限が定められており、3か月、6か月、1年などの期間が設定されています。休職期間や条件については就業規則を確認するか、人事部門に問い合わせてください。

退職後も傷病手当金を継続して受給するためには、在職中に傷病手当金の受給を開始しておくことが重要です。具体的には、退職前に最低でも連続3日間の休業である待期期間を経て、4日目以降に傷病手当金の申請を行い、受給を開始しておく必要があります。退職してから傷病手当金を申請しようとしても、在職中に受給条件を満たしていなければ退職後の傷病手当金は受給できません。

また、退職後も傷病手当金を継続して受給するためには、退職日までに継続して1年以上健康保険の被保険者であることが条件となるため、入社して1年未満で退職する場合は退職後の傷病手当金を受給できない可能性があります。この点は退職を決断する前に必ず確認してください。

退職後の傷病手当金を継続して受給するためには、退職日に労務不能の状態であることが必要です。退職日に退職手続きのために会社に出勤してしまうと「労務可能」と見なされ、退職後の傷病手当金を受給できなくなる場合があります。退職手続きは可能な限り郵送や代理人を通じて行うことをお勧めします。

傷病手当金と失業保険以外に利用できる支援制度

うつ病で退職した場合、傷病手当金や失業保険以外にも利用できる支援制度があります。自立支援医療制度は精神疾患で継続的な通院治療が必要な方の医療費負担を軽減する制度で、通常3割の医療費自己負担が1割負担に軽減されます。さらに、世帯の所得に応じて月額の自己負担上限額が設定されます。申請先は市区町村の障害福祉課などで、申請には医師の診断書が必要です。この制度を利用することでうつ病の治療にかかる医療費を大幅に抑えることができ、長期的な治療が必要な場合はぜひ活用を検討してください。

障害年金は、病気やケガにより一定の障害状態になった場合に支給される年金です。うつ病で長期間働けない状態が続いている場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、障害基礎年金は国民年金に加入している間に初診日がある場合に支給されます。障害厚生年金は厚生年金に加入している間に初診日がある場合に支給され、1級から3級までがあります。障害年金の申請には医師の診断書や病歴・就労状況等申立書などが必要で、うつ病での障害年金申請は初診日の特定や病状の証明が難しい場合があるため、社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。

傷病手当金や失業保険の受給が終了してもまだ働ける状態に回復していない場合は、生活保護の申請を検討することができます。生活保護は資産や収入が最低生活費を下回る場合に生活費や医療費などを保障する制度で、生活扶助、住宅扶助、医療扶助などが支給されます。医療扶助によりうつ病の治療費は全額公費で賄われます。申請先は住所地の福祉事務所で、申請の際は預貯金や資産の状況、親族の援助の可否などが調査されます。

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患により長期にわたって日常生活や社会生活に制約がある方に交付される手帳です。手帳を取得することで、税金の控除・減免、公共交通機関の運賃割引、携帯電話料金の割引、公共施設の利用料割引、障害者雇用枠での就職などのサービスや支援を受けることができます。また、手帳を取得していると失業保険の「就職困難者」として認定されやすくなり、給付日数が延長される可能性があります。手帳の等級は1級から3級まであり、申請には医師の診断書が必要で、初診日から6か月以上経過していることが条件です。

傷病手当金と失業保険の同時受給に関する疑問

傷病手当金と失業保険を同時に受給することはできません。傷病手当金は「働けない人」のための制度、失業保険は「働ける人」のための制度であり、対象が正反対です。どちらか一方を選択する必要があります。

退職後に傷病手当金を新たに申請することは原則としてできません。退職後も傷病手当金を受給するためには、在職中に傷病手当金の受給を開始しているか、受給できる条件を満たしている必要があります。

傷病手当金を受給しながらアルバイトをすることは原則としてできません。傷病手当金は「労務不能」であることが条件であり、アルバイトであっても働くことができるのであれば労務不能とは認められず、傷病手当金が支給されなくなる可能性があります。

失業保険の受給期間延長を申請し忘れた場合、失業保険の受給期間である原則1年を過ぎてしまい、失業保険を受給できなくなる可能性があります。傷病手当金を受給している間に必ず延長の申請を行ってください。

うつ病が原因で退職し「特定理由離職者」として認められれば、給付制限期間である通常2か月または3か月がなくなります。認定を受けるためには医師の診断書をハローワークに提出する必要があります。

傷病手当金の受給中に体調が回復した場合は、傷病手当金の受給を終了し失業保険に切り替えることを検討してください。医師から「就労可能」の診断を受けた上で、ハローワークで手続きを行います。

会社が傷病手当金の申請に協力してくれない場合でも申請は可能です。健康保険組合または協会けんぽに相談し、事業主の証明がなくても申請できる方法を確認してください。

うつ病で退職する場合の具体的なスケジュール例

在職中に傷病手当金の受給を開始してから退職する場合の流れを説明します。まず、うつ病の診断を受けて医師の診断書を取得し、会社に休職を申し出ます。休職開始後、傷病手当金の申請を行います。その後、傷病手当金を受給しながら療養を続け、この間に失業保険の受給期間延長を申請しておきます。支給開始から通算1年6か月後に傷病手当金の受給が終了し、体調が回復していれば失業保険に切り替えて求職活動を開始します。

休職せずに退職する場合は、うつ病の診断を受けて医師の診断書を取得した後、傷病手当金の待期期間である3日間を取得します。傷病手当金の申請を開始してから会社に退職を申し出て退職しますが、退職日は出勤しないことが重要です。退職後も傷病手当金を継続受給し、退職後30日以上経過したら失業保険の受給期間延長を申請します。支給開始から1年6か月後に傷病手当金の受給が終了し、体調回復後に失業保険に切り替えて求職活動を開始します。

まとめ

うつ病で退職する際の傷病手当金と失業保険の受給順番について、改めて重要なポイントをまとめます。傷病手当金を先に受給し、その後失業保険に切り替えるのが最も有利な順番です。この順番で受給することで、最大約28か月から30か月もの間、何らかの給付を受けることが可能になります。

在職中に傷病手当金の受給を開始しておくことが重要です。退職後に傷病手当金を新たに申請することはできないため、退職を決断する前に必ず傷病手当金の申請手続きを行ってください。

傷病手当金を受給している間に、失業保険の受給期間延長の申請を行うことを忘れないでください。この手続きを怠ると、失業保険を受給できなくなる可能性があります。

体調が十分に回復してから失業保険に切り替えることが大切です。無理に切り替えると、体調の悪化や再発を招く恐れがあります。

傷病手当金と失業保険以外にも、自立支援医療制度、障害年金、生活保護など、利用できる支援制度があります。状況に応じてこれらの制度の活用も検討してください。

うつ病は適切な治療と休養により、回復が期待できる病気です。経済的な不安を軽減しながらしっかり療養し、体調が回復してから社会復帰を目指すことが、長期的に見て最善の選択といえます。困ったときは一人で抱え込まず、主治医、ハローワーク、市区町村の福祉窓口など、専門家や専門機関に相談することをお勧めします。

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