コミュニケーション障害のカウンセリング費用は、民間の心理カウンセリングで1回5,000円から15,000円程度、精神科・心療内科では初診が2,500円から6,000円程度(3割負担)が相場となっています。保険適用については、医師が行う精神療法や認知行動療法は適用される場合がありますが、臨床心理士や公認心理師が単独で行うカウンセリングは基本的に保険適用外です。自立支援医療制度を活用すれば自己負担を1割に軽減することも可能です。
コミュニケーション障害を抱える方やそのご家族にとって、カウンセリングや治療を受けることは症状への対処や日常生活の質を向上させるために重要な選択肢となります。しかし、「費用はどのくらいかかるのか」「保険は使えるのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、コミュニケーション障害の基礎知識から、カウンセリング費用の具体的な相場、保険適用となる条件、費用負担を軽減する方法まで、詳しく解説していきます。

コミュニケーション障害とは何か
コミュニケーション障害とは、人とのコミュニケーションに困難が生じる障害のことです。正式にはコミュニケーション症群やコミュニケーション障害群と呼ばれ、「発声や発音、文法の組み立てが難しい」「社会の場で人とやりとりするのが難しい」といった特徴を持ちます。
アメリカ精神医学会が作成した精神疾患の診断・統計マニュアルである「DSM-5」によると、コミュニケーション障害はASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)と同じ「神経発達症群」の中に位置づけられています。俗にいう「コミュ障」とは異なり、医学的に定義されたコミュニケーション障害は、言葉を扱うことに困難がある特性として明確に分類されています。
コミュニケーション障害の5つの種類
DSM-5では、コミュニケーション障害は5つのタイプに分類されています。
言語症(言語障害) は、言葉の理解や発信することに困難が生じる症状です。話し言葉だけでなく、文字や手話などにも困難が及ぶことがあります。語彙が限られている、文を構成する力が弱い、会話が困難といった特徴が見られます。
語音症・語音障害 は、脳性麻痺や難聴などの身体的な障害や神経学的な障害がないにもかかわらず、言葉をはっきりと発することが困難に感じる障害です。特定の音を発音できない、言葉が不明瞭になるなどの症状が見られます。
小児期発症流暢症(吃音) では、話し始めの音を繰り返す「連発」、話し始めの音を伸ばす「伸発」、話し始めの音を出せずに間が空く「難発・ブロック」といった状態が起こります。小児期発症流暢症を抱えている子どもの約90%が6歳までに発症しているとされています。
社会的(語用論的)コミュニケーション症 は、言葉の意味そのものはわかっていても、話し相手や状況に応じたコミュニケーションが困難なことが特徴です。周囲の人との挨拶や情報共有といった社会生活上不可欠なコミュニケーションを適切な形でとることが難しい、状況や相手に合わせたコミュニケーションを取ることが難しい、ユーモアや隠喩、慣用句の理解が難しいといった症状があります。
特定不能のコミュニケーション症 は、症状があるがどのコミュニケーション障害の診断基準も満たさない状態のことを指します。
コミュニケーション障害の原因と発症時期
コミュニケーション障害の原因は、現状はっきりとはわかっていません。しかし、遺伝的要因として家族に発達障害などのコミュニケーション障害のある方がいる場合も多いという報告があります。また、言語発達の過程で何らかの困難が生じる場合や、事故や病気による脳の損傷、聴覚障害による聞こえの問題がコミュニケーションに影響する場合なども考えられています。
コミュニケーション障害は多くの場合、幼少期に発症するとされています。しかし、社会人になってマナーやルールが厳しく求められるようになってから症状に気付く人もいます。子どものころは特に困難を感じておらず、大人になってコミュニケーションが複雑化することで表面化することも考えられます。
主な症状としては、話したいことをうまくまとめることができない、話す内容は浮かんでいてもうまく発音できない、話し始めにつっかえてしまうことがある、状況に応じた振る舞いが苦手、言葉の裏の意味を理解しにくい、冗談や皮肉が通じにくいといったものがあります。
カウンセリング費用の相場を徹底解説
コミュニケーション障害に対するカウンセリングや治療を検討する際、費用の相場を把握しておくことは重要です。カウンセリングの形式や受診先によって費用は大きく異なります。
民間カウンセリングの料金相場
民間の心理カウンセリングでは、1回30分から1時間程度のセッションで5,000円以上が相場となっています。カウンセリング料金の全国平均は約6,612円であり、東京都では平均9,245円と地域格差が存在しています。
より詳しく見ると、1回45分から60分ほどのカウンセリングで6,000円から8,000円ほどかかり、1万円以上になることもあります。1回あたり7,000円から10,000円前後が一般的な相場であり、価格帯の幅は地域性、所要時間、カウンセラーの専門性や経験年数などによって変わってきます。
対面カウンセリングとオンラインカウンセリングの費用比較
対面カウンセリングの場合、1回50分から60分で5,000円から15,000円程度が目安となります。カウンセラーの資格や経験によって料金が異なり、都市部では料金が高めになる傾向があります。
一方、オンラインカウンセリングは対面に比べて料金が抑えられている傾向があります。これは、カウンセラーにとってカウンセリングルームを設ける必要がなく賃料が発生しないためです。1回45分で4,000円から6,000円程度、ビデオカウンセリング30分で3,000円から4,000円、ビデオカウンセリング80分で10,000円前後、チャットやメールカウンセリングでは1回2,500円前後となっています。
| カウンセリング形式 | 所要時間 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 対面カウンセリング | 50〜60分 | 5,000〜15,000円 |
| オンライン(ビデオ) | 30分 | 3,000〜4,000円 |
| オンライン(ビデオ) | 45分 | 4,000〜6,000円 |
| オンライン(ビデオ) | 80分 | 約10,000円 |
| チャット・メール | 1回 | 約2,500円 |
精神科・心療内科の費用目安
精神科や心療内科を受診する場合の費用目安は、3割負担で以下のようになります。
初診料は2,500円から6,000円程度です。十分な時間を取って話を聞き、採血や心電図、心理検査なども行った場合は5,000円ほど、検査がなかった場合は2,500円程度となります。
再診料は1,200円から2,000円程度です。検査が必要なければ1,500円程度、副作用や症状変化の確認のために検査が必要な場合は2,500円程度となります。
その他の費用として、血液検査が1,500円ほど、心電図が500円から1,500円ほど、心理検査が1,500円ほど、オンライン診療システム利用料が1,000円から3,000円ほどかかります。
認知行動療法の費用
認知行動療法は、コミュニケーション障害に関連する不安や緊張を軽減するのに有効な治療法です。保険適用の場合は、診察代に予約料(保険外併用療養費)を加えて7,500円程度となります。1回あたり30分から1時間程度で、週1回から隔週の頻度で行われ、回数は5回から20回以内に設定されていることが多いです。
保険適用外の場合は、1回につき5,000円から15,000円程度となり、約50分から1時間で1万円ほどかかることもあります。
言語聴覚士によるリハビリ費用
コミュニケーション障害の中でも、言語症や語音症に対しては言語聴覚士によるリハビリテーションが効果的です。自費リハビリの場合は1回50分で8,800円程度(税込)、オンラインリハビリの場合は30分で2,200円、60分で4,400円となっています。医療保険や介護保険が適用される場合は、自己負担額が軽減されることがあります。
吃音治療の費用
吃音(小児期発症流暢症)の治療費用については、初診で言語療法や心理療法を行った場合、2,500円から5,000円程度(診察代込み、3割負担)となります。吃音症の治療は長期間の通院や治療が必要であり、自立支援医療制度や高額療養費制度を活用することで医療費の負担を軽減することができます。
カウンセリングの保険適用条件と費用
カウンセリングが保険適用されるかどうかは、多くの方が気になるポイントです。結論として、臨床心理士や公認心理師が単独で行うカウンセリングは基本的に保険適用外となっています。
保険適用の基本原則
原則として、医師以外のカウンセラーが行うカウンセリングや認知行動療法は保険適用にならず、自由診療(自費)となります。カウンセリングが保険適用となるのは「精神科を担当する医師が行った場合」のみとされています。
保険適用となる5つの条件
保険適用となる可能性がある条件は以下の通りです。
うつ病などの気分障害等で医師および看護師による認知行動療法を受けた場合 は保険適用となります。この場合、厚生労働省に届出をした保険医療機関で治療を受けること、入院中ではないこと、認知行動療法に習熟した医師が計画や説明を行うこと、診療に要する時間が30分を超えること、一連の治療において16回のセッションを限りとすることが条件となります。
医師による精神疾患の通院・在宅精神療法を受けた場合 も保険適用の対象です。
医師による標準型精神分析療法を受けた場合 は、診療に要した時間が45分を超えたときに限り保険適用となります。
特定の精神疾患や依存症等の治療を受けた場合 も対象となります。
心身医学療法を受けた場合 も保険適用されます。心身医学療法とは、心身症と呼ばれる症状の人に対するアプローチのことであり、基本的なカウンセリングに自律訓練法や行動療法といった方法を組み合わせて行われます。
認知行動療法が保険適用となる疾患
認知行動療法が保険適用となる疾患には、気分障害(うつ病など)、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、神経性過食症、薬物依存症があります。ただし、病院やクリニックで医師・看護師のもと認知行動療法を受ける場合でも、保険適用できる医療機関はまだ少ないのが現状です。
保険適用時の費用目安
心療内科や精神科の医師が行う治療の一環としての心理カウンセリングは保険適用される場合があり、この場合、患者は自己負担分の1割から3割のみを支払います。保険適用された場合、初診料は2,500円から5,000円程度(3割負担)、再診料は1回1,500円から2,500円程度(3割負担)となります。
小児特定疾患カウンセリング料について
令和2年度の保険診療改定により、公認心理師によるカウンセリングが一部認められました。「小児特定疾患カウンセリング料」として、1回20分、200点(2,000円)の保険点数が設定されており、特定の小児疾患に対するカウンセリングに適用されます。
費用を抑えるための方法
カウンセリングや治療の費用負担を軽減するための方法はいくつかあります。これらの制度や方法を上手に活用することで、経済的な負担を抑えながら必要な支援を受けることができます。
自立支援医療制度(精神通院医療)の活用
自立支援医療制度は、精神疾患の治療のために通院する方の医療費負担を軽減する制度です。健康保険や国民健康保険などでは医療費の自己負担は通常3割ですが、この制度を併用すると自己負担が原則1割に軽減されます。
対象となるのは、精神障害の治療のため医療機関に通院されている方です。症状が改善されていても、現状維持や再発予防のため通院する必要がある場合も対象になります。また、往診、デイケア、訪問看護などについても自己負担が1割まで軽減されます。
1割の負担が過大なものとならないよう、1か月当たりの負担には上限が設けられています。上限額は世帯の所得に応じて異なっており、統合失調症などで医療費が高額な治療を長期間にわたり続けなければならない方(「重度かつ継続」)は、1か月当たりの負担限度額が低くなります。
注意点として、この制度は「指定自立支援医療機関」(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)で受給者証に記載されたものに限られています。また、カウンセラーによるカウンセリングは保険適用外であり、自立支援医療の対象外です。入院費用や、保険適用外の治療、病院や診療所以外でのカウンセリング費用なども対象外となります。
申請が認定された場合は「自立支援医療受給者証(精神通院)」が本人に交付されます。受給者証に記載された医療機関等の窓口でマイナンバーカードまたは医療保険の資格を確認できる書類と一緒に受給者証を提示することにより、窓口負担が軽減されます。
公的機関の無料相談の活用
費用負担なくカウンセリングを受けたい場合は、公的機関や非営利団体などのカウンセリングを活用することができます。
発達障害者支援センター は、発達障害のある人への支援を総合的に行う専門機関です。発達障害のある人とその家族が豊かな地域生活を送れるように、保健、医療、福祉、教育、労働などの分野の関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら、発達障害のある人の日常生活や仕事、人間関係など、幅広い相談に応じています。家族からの相談も受け付けています。
精神保健福祉センター では、県の精神保健福祉センターが設置している心理相談を利用できる場合があります。
障害者就業・生活支援センター は、障害のある人の生活と仕事を両面から相談ができる機関です。
地域障害者職業センター では、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助を行っています。
大学の保健センター では、学生の場合は無料カウンセリングを利用できる場合があります。
その他の費用軽減方法
学生や若年層、高齢者向けに、割引価格や無料相談を行っているカウンセリングサービスもあります。一部の就労支援センターでは、初回相談を無料で行っているところもあります。また、前述の通りオンラインカウンセリングは対面に比べて料金が抑えられている傾向があるため、費用を抑えたい場合の選択肢となります。
コミュニケーション障害の治療と支援方法
コミュニケーション障害は、病気というよりも持って生まれた「特有の性質(特性)」と考えられています。一概に「治す」というよりも、個別に「学ぶ」こと、環境を整えること、周囲の理解をはかること、具体的な支援や援助を利用することが適した方向性です。具体的な支援や援助には、障害者手帳や年金制度の利用、就労のためのトレーニング施設への通所なども含まれます。
言語聴覚療法による支援
コミュニケーション障害の中でも、言語症や語音症に対しては言語聴覚士などによる言語指導を行うことで、症状の対処が進むことがあります。
言語聴覚士とは、ことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。
言語聴覚療法の対象となる障害には、失語症、構音障害、高次脳機能障害、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害、パーキンソン病などによる発声・構音障害、発達障害によるコミュニケーション障害があります。
リハビリの内容としては、言語訓練として絵・文字カードを用いた訓練や実用的コミュニケーション訓練、構音訓練として口・舌の体操や発声発語訓練、高次脳機能訓練として注意障害や記憶障害、視空間認知機能障害に対する訓練などが行われます。
言語聴覚療法では、課題や生活場面でのコミュニケーションの様子から問題点を捉えて評価を行い、残存する能力に応じて様々な側面から機能を刺激し、言語機能そのものが進展するような段階的なプログラムを個々に立案していきます。
認知行動療法の活用
コミュニケーション障害に関連して社交不安障害などが併存する場合、認知行動療法が有効です。認知行動療法では、不安恐怖の認知のゆがみを理解し、少しずつ緊張しやすい場面に慣れていく暴露療法などが行われます。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)
発達障害やコミュニケーション障害に対しては、ソーシャルスキルトレーニング(SST)も効果的です。SSTでは、社会生活に必要なコミュニケーションスキルを実践的に学びます。
吃音の治療方法
吃音症の治療は、症状の程度や年齢に応じて異なります。主な治療方法として、言語療法、心理療法、環境調整があり、治療の中心は環境調整、言語訓練、カウンセリング、心理療法・行動療法となります。
どの患者にも一様に有効である治療法はないので、患者に応じて(しばしば組み合わせて)選択することで、ある程度の有効率が得られることが多いとされています。なお、吃音に有効性が確立された薬物はなく、吃音が適応として保険収載されている薬はありません。
オンラインカウンセリングという選択肢
オンラインカウンセリングでは、自宅やカフェなど自分の好きな場所から、ビデオや電話、メッセージを通してカウンセリングを受けることができます。コミュニケーション障害を抱える方にとって、新しい場所に出向くことや対面でのやり取り自体がストレスになる場合もあるため、オンラインという選択肢は有効な手段となりえます。
オンラインカウンセリングのメリット
オンラインカウンセリングには、場所を選ばずアクセス可能で自宅や好きな場所で利用できること、移動時間やコストが不要であるため手軽に利用できること、柔軟なスケジュール対応が可能であること、カウンセリングルームを設ける必要がないため料金が抑えられている傾向があることなどのメリットがあります。ビデオカウンセリングは対面カウンセリングと同様でお互いの表情を見られるため、悩みや不安の深さ、理解の有無などを画面上で読み取ることができます。
オンラインカウンセリングのデメリット
一方で、インターネット接続や技術的な問題が発生する可能性があること、非言語的コミュニケーションのキャッチが難しいこと、家族がいる空間やパートナーがいる空間などプライバシーの保護に関する懸念があること、カウンセリングルームは治療を目的に設計されているため自宅などで受けると期待しているほどの効果を得られない恐れがあること、ビデオ会議ソフトの事前設定が必要であること、通信障害で中断するリスクがあることなどのデメリットもあります。
カウンセラー選びのポイント
オンラインカウンセリングを選ぶ際も、カウンセラーが臨床心理士や公認心理師といった専門資格を持っているか確認することが重要です。これらの資格は、心理学に関する専門知識と技術を有していることの証となります。
相談先・受診先の選び方
コミュニケーション障害は発達障害の中に位置づけられているため、「コミュニケーション障害かもしれない」と感じたときは、適切な医療機関や相談窓口を選ぶことが大切です。
医療機関の選択
医療機関としては、発達障害の診断ができる精神科、心療内科、発達障害外来のある総合病院、耳鼻咽喉科(吃音の場合)、リハビリテーション科のある病院(言語療法を受ける場合)などが受診先として挙げられます。
公的相談窓口の活用
公的相談窓口としては、発達障害者支援センター、精神保健福祉センター、障害者就業・生活支援センター、地域障害者職業センターなどがあります。
「自分は他の人とちょっと違うかも」「もしかしたら発達障害なのかもしれない」と思ったときは、ひとりで抱え込まずに、まずは専門の相談窓口や医療機関へ相談することで、専門家による困りごとの相談やサポート、行政による就職や就労について支援を受けられます。
就労支援機関
就労に関する困りごとがある場合は、就労移行支援事業所、障害者就業・生活支援センター、ハローワークの専門援助部門などを利用できます。これらの機関では、障害者手帳の有無にかかわらず相談を受け付けているところもあります。
子どものコミュニケーション障害と療育
子どものコミュニケーション障害に対しては、療育という形での支援があります。療育の費用についても理解しておくことで、適切な支援を受けることができます。
療育とは
療育とは「教育」と「医療」を併せた言葉で、元々は身体障害のある子どもへのアプローチとして1940年代から使われ始めました。療育は障害のある子どもへ治療を行うだけでなく、自立へ向けたさまざまな訓練を行うことも含んだ言葉です。
療育施設とは、一般的に障害のある子ども一人ひとりに併せた治療・教育を提供している場所のことを総称して使われる言葉であり、施設ごとに提供しているサービスも異なっています。
療育の費用負担
児童発達支援の利用料は「利用者負担」と呼ばれていて、原則として国や自治体が9割負担し、家庭では1割負担することになっています。通所型の療育支援サービスを利用する場合、利用者の費用負担は1割で、さらに所得に応じた負担の上限が定められています。
具体的な費用例として、前年度の年間所得が890万円までの世帯の場合、負担上限月額が4,600円です。例えば、2歳の子どもが1回の利用者負担が1,000円の児童発達支援を8回利用した場合、1,000円×8回=8,000円となりますが、負担上限月額の「4,600円」のみ支払います。
就学前障害児の無償化制度
2019年10月から、就学前の障害児を支援するため、児童発達支援等の利用者負担が無償化されています。無償化にあたり、新たな手続きは必要ありません。
この制度では、3歳から5歳までの子どもにかかる利用者負担が無償化されます。具体的な期間としては、子どもが満3歳になって初めての4月1日から適用され、小学校に就学するまで継続します。
子どもへのコミュニケーション支援
療育施設では、言語・コミュニケーション支援として、発語、発話、要求、感情の言語化など、対人コミュニケーション能力の発達をサポートします。人間関係・社会性では、ゲームやソーシャルスキルトレーニングなどを通じて学習するためのサポートを行います。
コミュニケーション能力を高める指導として有名なのがSST(ソーシャルスキルトレーニング)です。対人関係や集団行動をスムーズに行えるようにしていく技能訓練です。
発達障害を持つ子どもたちは、コミュニケーションにおいて特有の困りごとを抱えることがあります。自分が「みんなと同じ」ように行動や学習ができないと感じることで、自己肯定感が低下することがあり、友達を作ることが難しいという問題にもつながります。早期に適切な支援を受けることで、これらの困難を軽減することができます。
カウンセリングの効果と期間の目安
カウンセリングを受ける際、どのくらいの頻度で、どのくらいの期間続けるべきか気になる方も多いでしょう。効果的なカウンセリングを受けるための目安を知っておくことは重要です。
カウンセリングの適切な頻度
1週間から2週間に1回程度の頻度でカウンセリングを受けるのが効果的といわれています。はじめのうちは1週間から2週間に1回の頻度で受け、カウンセリングが進んでくると1ヶ月に1回程度の頻度に調整していく場合もあります。平均すれば隔週ペースくらいが一番多いかもしれません。
カウンセリングの回数と期間
カウンセリングを受けた半数の人が効果を得られる平均回数としては、約10回から20回だと研究では言われています。75%の人がカウンセリングで好転をみせるのは、58回のセッションが必要であるとされています。
目的や方法について合意が得られ、契約を交わしたとして、4ヶ月から半年でひとつの山を迎えることが多いです。回数としては15回から20回程度となります。カウンセリングの平均回数は3回から8回です。以降は、現状維持のために定期的に3ヶ月から6か月に1回のペースで通っている方が多いです。期間としては4年から5年ほど継続している方もいます。
療法やゴールによる違い
伝統的な心理療法では何百回とカウンセリングするのが当たり前という文化もありますが、ブリーフセラピーや認知行動療法は数回から十数回を一応の目安にしている傾向があります。
ゴールが具体的な場合にもカウンセリングは短期間で終わる傾向があります。例えば、「休職状態から復職を目指したい」という方であれば、平均して8回から9回程度のカウンセリングで復職を実現できたというデータがあります。
自分に合った頻度を見つけることの大切さ
適切な頻度は、カウンセリングの目的や相談したい内容などで異なります。頻度が高ければ効果がでやすいわけではありません。カウンセラーと相談しつつ、自分に合っている頻度を見つけることが大切です。
カウンセリングの期間は、抱えている悩みや問題、カウンセリングに期待するもの、頻度、カウンセラーの方針などによって異なり、1回で終わる人から年単位で継続する人まで様々です。
コミュニケーション障害のカウンセリング費用まとめ
コミュニケーション障害に対するカウンセリングや治療について、費用・相場・保険適用のポイントを整理します。
費用の目安としては、民間カウンセリングが1回5,000円から15,000円程度、オンラインカウンセリングが1回4,000円から10,000円程度、精神科・心療内科の初診が2,500円から6,000円程度(3割負担)、精神科・心療内科の再診が1,200円から2,000円程度(3割負担)となっています。
保険適用については、臨床心理士や公認心理師が単独で行うカウンセリングは基本的に保険適用外であり、医師が行う精神療法や認知行動療法は保険適用となる場合があります。自立支援医療制度を利用すると自己負担が1割に軽減されます。
費用を抑える方法としては、自立支援医療制度の活用、公的機関の無料相談の利用、オンラインカウンセリングの活用が挙げられます。
コミュニケーション障害は「治す」というよりも、自分の特性を理解し、環境を整え、必要な支援を受けながら、自分らしい生活を送ることが大切です。費用面で不安がある場合は、まずは公的な相談窓口を利用することをお勧めします。専門家のサポートを受けながら、自分に合った治療や支援を見つけていきましょう。

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