うつ病治療中の方にとって、車は通院や日常生活に欠かせない重要な移動手段です。しかし、うつ病の治療歴があることで車ローンの審査が困難になるケースが多く見られ、多くの方が悩まれています。
なぜうつ病治療中に車ローンが組めないのか、その背景には団体信用生命保険への加入が困難であることや、再発リスクによる収入不安定性への懸念があります。金融機関側からすると、うつ病は治療期間が長期化する可能性があり、完治後も再発のリスクがあるため、返済能力に不安を感じてしまうのが現実です。
しかし、適切な対処法を講じることで、うつ病治療中でも車を手に入れることは十分可能です。配偶者名義でのローン、ワイド団信の活用、カーリースの検討、自社ローンの利用など、さまざまなアプローチがあります。重要なのは一つの方法にこだわらず、複数の選択肢を検討することです。
本記事では、うつ病治療中の方が直面する車ローン問題について、具体的で実践的な解決策をQ&A形式で詳しく解説していきます。専門的な内容もわかりやすく説明し、あなたの状況に最も適した方法を見つけるお手伝いをいたします。

Q1. うつ病治療中に車ローンが組めないのはなぜですか?
うつ病治療中に車ローンが組めない最大の理由は、団体信用生命保険(団信)への加入が困難であることです。団信は、借入者に万一のことがあった場合にローンの残債を保険で賄うもので、多くの車ローンで加入が必須となっています。
うつ病の場合、過去3年以内に2週間以上の通院や投薬があった場合、告知事項として詳細に申告しなければなりません。うつ病は数か月から長期にわたる治療期間が発生する可能性が高く、審査で厳しく見られる傾向があります。金融機関側からすると、うつ病は一度治療をしても再発する方が多く、死亡要因としても認識されているため、保険への加入が困難とされているのです。
また、うつ病の特徴として、完治までに時間を要し、完治せずに再発した場合は休職により収入がなくなるリスクがあります。このため、ローン返済が滞るリスクを金融機関が避けることが大きな要因となっています。実際に、うつ病患者の再発率は高く、治療期間中の働き方にも制限が生じることがあるため、金融機関は返済能力に不安を感じることが多いのです。
さらに、車ローンの審査では年齢・職業・勤務先・勤続年数・年収・家族構成等の本人の属性が考慮され、特に重視されるのは借入希望金額(年間返済金額)と年収から算出される返済比率です。うつ病治療中で収入が不安定な状態では、この返済比率の面でも不利になってしまいます。
過去の一定期間内に、大幅な支払遅延や債務整理などがあると、ローン審査で不利になる可能性も高くなります。うつ病治療による経済的な困窮から、このような状況に陥ってしまう方も少なくありません。
しかし、これらの困難があっても、適切な対処法を講じることで解決策を見つけることは可能です。次の質問では、具体的な解決方法について詳しく説明していきます。
Q2. うつ病患者でも車ローンを組める方法はありますか?
はい、うつ病患者でも車ローンを組む方法はいくつか存在します。最も確実で実現可能性の高い方法から順番にご紹介します。
最も確実な方法:ワイド団信の利用
ワイド団信は、一般団信では加入が難しい高血圧症、糖尿病、うつ病等の持病を持った人でも加入できる場合があります。ただし、年利0.1~0.5%の金利が追加されるデメリットがあります。ワイド団信を検討する際は、複数の保険会社を比較検討することが重要です。保険会社によって審査基準が異なるため、一社で断られても他社で通る可能性があります。
告知が不要なケースの確認
治療が2週間未満で終了している場合や治療完了から3年以上経過している場合は告知の対象にならないため、通常通りローンを組める可能性があります。告知義務の対象期間を「過去3年以内」に設定している団体信用生命保険が多いため、完治から3年以上経過していれば、通院歴を告知する必要がありません。
仮審査の積極的な活用
仮審査(事前審査)を受けることをおすすめします。仮審査は本審査より提出書類も少なく簡単に申込みができるうえに、借入れできる金額の目安をチェックできます。複数の金融機関で仮審査を受けることで、最も条件の良いローンを見つけることができます。
借入条件の調整
頭金を多く支払っておけば毎月の返済額を減らすことが可能です。返済比率が下がれば審査に通りやすくなると考えられます。また、返済期間を長くすると、月々の返済額の負担が減るため、ローンの審査に通りやすくなるでしょう。ただし、返済期間を長くすると総支払額が増加することも理解しておく必要があります。
2025年の最新動向への対応
2025年からは前年のマイナス金利政策解除の影響で全体的な金利上昇がみられ、それに伴い各社もサービス内容の見直しなどを行っている状況でもあり、慎重に比較検討する必要があります。
これらの方法を単独または組み合わせて活用することで、うつ病治療中でもローンを組める可能性は十分にあります。重要なのは、あきらめずに複数のアプローチを試すことです。
Q3. 家族名義や保証人を使った対処法にはどのようなものがありますか?
家族名義や保証人を活用した対処法は、うつ病治療中の方にとって最も確実で実現可能性の高い選択肢の一つです。具体的な方法をご紹介します。
配偶者名義での利用
夫婦で共働きをしているのであれば、心身ともに健康な配偶者名義で車ローンを組んだり、ペアローンを利用したりするのがおすすめです。この方法は最も確実で実現可能性の高い対処法の一つです。配偶者名義でローンを組む場合の注意点として、所有権が配偶者になることや、万一離婚などの事態になった場合のリスクについても十分に検討しておく必要があります。
連帯保証人の活用
車のローンでは、連帯保証人が求められるのが一般的です。連帯保証人は、契約者本人と同等の責任を負うことになります。契約者の返済能力や資金の有無にかかわらず、債権者から返済を求められたら拒否することができません。
審査で連帯保証人が必要になるケースは、おもに契約者が未成年や学生、収入が少ないときです。収入はある程度あっても、自営業やアルバイトだと収入が不安定とみなされることがあります。
家族名義での借入方法
車のローン審査で保証人が必要になったときには、親族や配偶者などの家族に頼むのが一般的です。また、自分でローン審査を受けて通らなかった場合は、家族名義でもう一度ローン審査を受けてみましょう。
連帯保証人の条件
保証人に求められる条件は、契約者本人の審査条件と大きな違いはありません。つまり、収入が安定していることは、保証人の重要な条件となります。一般的に連帯保証人として認められるのは、安定した収入がある成人で信用情報に問題がない人です。
親族との相談のポイント
家族に相談する際は、以下の点を明確に説明することが重要です:
- 車が治療継続に必要である理由
- 返済計画の具体性と現実性
- 万一の場合の対応策
- 家族への感謝の気持ちと責任感
家族名義や保証人を使った方法は、信頼関係に基づく重要な取り決めです。契約内容を家族全員が十分に理解し、将来的なリスクも含めて慎重に検討することが大切です。
Q4. カーリースや自社ローンは審査に通りやすいって本当ですか?
はい、カーリースと自社ローンは一般的な銀行ローンよりも審査に通りやすいとされています。それぞれの特徴と理由を詳しく説明します。
カーリースの審査通りやすさの理由
カーリースもローンも審査がありますが、カーリースの方が審査に通りやすいと言われています。これは、カーリースが残価を差し引くという性質上、審査対象金額が少なくなるためで、ローンよりも審査のハードルは低いと考えられています。
カーリースは購入ではなくカーリース会社の車を借りるシステムで、車両本体価格全額を借り入れる残価設定ローンに比べて審査対象となる金額を抑えやすいため、審査に通りやすい傾向があります。カーリースでは車両本体価格から契約満了時の残価(想定下取り価格)を差し引いた金額をベースに月額料金が算出されるため、一般的なローンよりも審査の対象となる金額も少なくでき、毎月の支払額を抑えやすいことから、審査に通りやすい傾向があります。
審査が通りやすいカーリース会社の選び方
料金が安ければ審査対象となる金額を抑えやすく、審査に通る可能性が高まると推測できるため、月額料金が安いカーリースは審査が甘いと言えるでしょう。業界最安水準として、新車が月額10,000円台から利用できるサービスもあります。
自社ローンの仕組みと利点
自社ローンは、おもに中古車を購入する場合に、中古車販売店と直接契約を結ぶ分割払いの仕組みです。信用情報機関を介さずに、販売店が独自の基準で審査を行うため、ブラックリストに掲載されていても審査に通る可能性があります。
自社ローンの審査では、過去の状況ではなく、現在の収入状況が重要視されます。毎月返済していけるだけの年収があるかどうかや定職についているかなどがチェックされます。ブラックリストに登録されていたり債務整理や自己破産を行った過去があっても、今後の支払い可能見込みで審査を行うケースがほとんどです。
自社ローンの成功事例
実際の成功事例として、ブラックリストに載っていても、100万円、7年の自社ローンを組むことができた例があります。頭金を10万円入れたうえに手数料も80,000円ほどかかりましたが、毎月10,000円の返済で済んだため支払いは楽になったという報告があります。
注意点とデメリット
カーリースでは車の所有権はリース会社にありますが、通院などの日常的な移動手段としては十分に活用できます。自社ローンでは法律上、金利を設定できない代わりに、手数料・保証料として10%~20%程度を上乗せするのが一般的で、総返済額は他のローンより高くなる傾向があります。
どちらの方法も、契約内容を十分に確認し、総支払額を理解したうえで利用することが重要です。
Q5. 現金一括購入以外で確実に車を手に入れる方法を教えてください
現金一括購入以外で確実に車を手に入れる方法は複数あります。状況に応じて最適な選択肢を組み合わせることで、確実に車を取得することが可能です。
最も確実な順番での選択肢
- 配偶者名義でのローン(最も確実で金利も有利)
- カーリース(審査が通りやすく、初期費用が少ない)
- 自社ローン(過去の信用情報を問わない場合が多い)
- ワイド団信を利用したローン(金利は高めだが可能性がある)
状況別の推奨方法
【治療開始から1年未満の場合】
配偶者名義でのローンまたはカーリースを推奨します。現金に余裕があれば一括購入も検討してください。
【治療が安定している場合】
ワイド団信の検討や、複数のカーリース会社での審査を試してみることをおすすめします。
【休職中・収入が不安定な場合】
家族名義での購入、自社ローンの検討(頭金を多めに準備)が有効です。
お試し審査の積極的活用
カーリース各社では「お試し審査」などのサービスも提供されており、事前に審査通過の可能性を確認できるサービスもあります。これにより、本格的な契約前に審査の可能性を探ることができます。
公的支援制度の活用
うつ病患者が利用できる各種支援制度についても確認しておくことが重要です。障害者手帳の取得により、自動車税の減免や運転免許取得費用の助成を受けられる場合があります。
障害年金の受給により安定収入を確保し、ローン審査に有利な条件を整えることも可能です。自立支援医療制度により医療費負担を軽減し、車購入資金を蓄積することもできます。
段階的なアプローチの重要性
最初は中古車や軽自動車など、比較的安価な車両から始めて、治療が安定し経済状況が改善してから、より良い車両への買い替えを検討することも有効な戦略です。
複数同時進行の戦略
一つの方法に固執せず、複数の選択肢を同時に進めることが重要です。カーリースの審査を受けながら、並行して家族との相談を進め、自社ローンの可能性も探るといった具合に、複数のルートを同時に検討することで成功確率を高めることができます。
専門家との相談
最終的には、金融機関の相談窓口、カーリース会社の相談サービス、自動車販売店のファイナンス担当、ファイナンシャルプランナーなど、複数の専門家に相談することで、あなたの状況に最も適した方法を見つけることができるでしょう。
重要なのは、あきらめずに複数のアプローチを試すことです。必ずどこかに解決策があります。
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