心理系の専門職を目指す方や、現在心理職として活動されている方にとって、臨床心理士と公認心理師の違いは極めて重要な問題です。特に保険診療における取り扱いの違いは、将来のキャリア形成に大きな影響を与える可能性があります。2025年現在、これらの資格は単なる名称の違いを超えて、実務的な価値や社会的な認知度において明確な差が生じています。
公認心理師は2017年に創設された日本初の心理職における国家資格であり、一方の臨床心理士は1988年から続く歴史ある民間資格です。どちらも心理的支援の専門家として重要な役割を担っていますが、医療分野での診療報酬制度や雇用機会において、その差は年々拡大しています。本記事では、両資格の具体的な違いを詳しく解説し、それぞれのメリット・デメリット、将来性について包括的に分析いたします。心理職としてのキャリアを検討されている方にとって、適切な資格選択の指針となる情報をお届けします。

臨床心理士と公認心理師の基本的な違いとは
国家資格と民間資格という根本的な違い
公認心理師と臨床心理士の最も根本的な違いは、その法的地位にあります。公認心理師は2017年に施行された「公認心理師法」に基づいて創設された、日本で初めての心理職における国家資格です。これに対して臨床心理士は、「日本臨床心理士資格認定協会」が認定する民間資格として、1988年から35年以上にわたって運用されている歴史ある資格です。
この違いは単なる名称上の問題ではありません。国家資格である公認心理師は、法的な位置づけが明確で社会的な信頼性が高く、特に医療分野においては診療報酬制度との関連で極めて重要な意味を持っています。一方、臨床心理士は長年の実績と豊富な臨床経験によって培われた専門性を背景に、多くの心理職が取得している信頼性の高い資格として認識されています。
受験資格と取得までの道のり
両資格の受験資格にも明確な違いがあります。公認心理師の受験資格を得るためには、大学で心理学の所定科目を履修し、さらに大学院での科目履修または実習を修了するか、大学での科目履修後に厚生労働省・文部科学省令で定める施設での実習を修了する必要があります。この制度により、理論と実践の両面から心理学の専門性を身につけることが求められています。
臨床心理士の場合は、指定大学院を修了するか、臨床心理士養成に関する専門職学位課程を修了することが基本的な受験資格となります。また、医師免許取得者については、心理臨床経験2年以上で受験資格が認められるという特別な制度も設けられています。このように、臨床心理士は大学院レベルでの高度な専門教育を重視した制度設計となっています。
保険診療における決定的な違い
診療報酬制度での位置づけの変化
保険診療における両資格の違いは、心理職のキャリアにとって最も重要な要素の一つです。2018年度診療報酬改定により、心理職に関する大きな制度変更が行われました。これまで「臨床心理技術者」として診療報酬の算定対象となっていた心理職の範囲が、公認心理師に統一されたのです。
この変更により、臨床心理士単独では診療報酬を算定できない状況となり、公認心理師が治療に関与することで診療報酬が算定できるシステムに変更されました。ただし、経過措置として2020年度診療報酬改定では、一定の要件を満たす臨床心理士について「公認心理師とみなす」措置が取られています。
しかし、この経過措置は「公認心理師が一定程度養成されるまで」の暫定的な措置であり、将来的には完全に公認心理師に移行することが見込まれています。つまり、医療分野で心理職として長期的に働き続けるためには、公認心理師資格の取得が必要不可欠になると考えられます。
2025年度診療報酬改定での新展開
2025年度(令和6年度)診療報酬改定では、公認心理師にとって極めて重要な変更が加えられました。新設された「心理支援加算」の算定職種として公認心理師が明記されました。この加算は、精神科医師の指示を受けて心的外傷に起因する症状を有する患者に対する心理支援を行う場合に算定でき、250点(2,500円)の診療報酬が認められます。
この心理支援加算は、初回算定日から2年間、月2回を限度として算定可能であり、主にPTSD(心的外傷後ストレス障害)治療のための心理療法などが対象となります。このように、公認心理師の診療報酬上の位置づけは年々強化されている状況にあります。
また、同改定では「児童思春期支援指導加算」の算定職種としても公認心理師が追加され、保健師や精神保健福祉士などとともに名を連ねることになりました。これらの変更は、公認心理師の専門性が医療分野で広く認められていることを明確に示しています。
現在の診療報酬算定対象業務の詳細
公認心理師が関与できる診療報酬算定対象業務は、2025年現在、以下のような多岐にわたる内容があります。
小児特定疾患カウンセリング料では、療養上必要なカウンセリングを20分以上行った場合に200点(2,000円)が算定されます。これは、慢性疾患を抱える子どもとその家族への心理的支援に対する適切な評価として位置づけられています。
がん患者指導管理料でも同じく200点(2,000円)が算定され、1人の患者につき合計6回まで算定可能です。がん診療において、患者の心理的ケアが治療成果に与える影響の重要性が認識されていることの表れです。
さらに、公認心理師は複数の心理検査や知能検査の実施・判定についても診療報酬の算定対象となっており、これらの専門的技術に対する適切な評価が行われています。
個人カウンセリングの保険適用について
保険適用の現状と課題
多くの方が最も関心を持つのは、個人カウンセリングの保険適用についてです。現状では、公認心理師による個人カウンセリングは基本的に保険診療とはならず、自由診療となるケースが多いのが実情です。
ただし、以下の4つの条件のいずれかを満たす場合は、保険適用となる可能性があります。第一に、うつ病などの気分障害等で医師および看護師による認知行動療法を受けた場合。第二に、医師による精神疾患の通院・在宅精神療法を受けた場合。第三に、医師による標準型精神分析療法を受けた場合。第四に、特定の精神疾患や依存症等の治療を受けた場合です。
これらの条件からもわかるように、現在の制度では医師の関与が前提となっており、公認心理師単独でのカウンセリングは保険適用の対象外となっています。この制約は、心理職の独立性という観点から今後の課題として認識されています。
将来的な制度改善への期待
今後の課題として、公認心理師による認知行動療法の診療報酬化に関する要望が心理職団体から出されており、関連団体が連携して制度改善に取り組んでいます。これが実現すれば、公認心理師による心理療法がより広く保険適用されることになり、国民のメンタルヘルス向上に大きく寄与することが期待されます。
臨床心理士の特徴的な制度
5年ごとの資格更新制度
臨床心理士には、公認心理師にはない特徴的な制度があります。それが5年ごとの資格更新制度です。この制度は、民間資格でありながら専門業務性を社会的に担保する重要な仕組みとなっています。
2025年度の資格更新対象者は7,471名で、現在お持ちの「臨床心理士資格登録証明書」の有効期限欄に「2026/03/31」と記載されている方々が対象となります。更新のためには、5年以内に指定された教育研修機会に3項目以上にわたって参加し、計15ポイント以上を取得する必要があります。
この研修制度により、臨床心理士は継続的な学習と専門性の向上が義務づけられており、質の高い心理的支援の提供が担保されています。一方、公認心理師には現在のところ更新制度はなく、一度取得すれば生涯有効な資格となっています。
新型コロナウイルスによる特別措置
2025年現在も続いている新型コロナウイルス感染症の影響により、臨床心理士の資格更新についても特別な配慮が行われています。研修機会の中止や延期により更新基準を満たせなかった場合、その事情を説明の上で所定の事例報告書等を提出することで、不足分のポイントの代替措置を受けることができます。
この特別措置は、パンデミックという特殊な状況下でも、有資格者の専門性を維持し続けるための柔軟な対応として高く評価されています。
就職先と活動分野の比較
共通する活動領域
現在のところ、公認心理師と臨床心理士の就職先や活動分野に大きな違いはありません。どちらの資格でも「医療・教育・福祉・司法・産業」の5つの分野で活躍することが可能です。
医療分野では、精神科病院、総合病院の心療内科・精神科、クリニックなどで勤務し、患者の心理的評価や支援を行います。教育分野では、スクールカウンセラーとして学校現場で児童・生徒の心理的支援に従事します。福祉分野では、児童相談所、障害者支援施設、高齢者施設などで心理的援助を提供します。
司法分野では、家庭裁判所調査官や矯正施設での心理的支援、産業分野では企業のメンタルヘルス対策や職場復帰支援などの業務に携わることができます。
医療分野での優位性
しかし、医療分野においては診療報酬制度の違いにより、公認心理師の方が明らかに有利な状況となっていることは確実です。特に、今後医療機関での雇用を考える場合、公認心理師資格の取得が強く推奨される状況となっています。
資格取得者数と試験の難易度
資格取得者数の推移
2023年4月時点での資格取得者数を見ると、臨床心理士が40,749名、公認心理師が69,875名となっており、公認心理師の方が多くなっています。公認心理師制度が開始されてまだ数年しか経っていないにも関わらず、この数字は公認心理師への関心の高さを明確に示しています。
この傾向は、国家資格としての社会的認知度の高さ、医療分野での優位性、更新制度がないことの利便性などが複合的に影響していると考えられます。
公認心理師試験の難易度と合格率
公認心理師試験は2018年から開始された比較的新しい国家試験です。2025年に実施された第8回公認心理師試験では、受験者数2,174人のうち合格者は1,454人で、合格率は66.9%でした。
公認心理師試験の合格率は開始当初から大きく変化しています。初回試験では受験者数35,020人に対し27,876人が合格し、合格率は79.6%と非常に高い水準でした。これは、既に臨床心理士等の資格を持つベテランの専門家が多数受験したためと考えられています。
しかし、第2回以降の合格率は46.4%(第2回)、53.4%(第3回)、58.6%(第4回)、48.3%(第5回)と変動しており、近年はやや合格率が上昇傾向にありますが、試験の内容は年々専門性が高くなっています。
給与・年収の比較分析
平均年収の実態
多くの方が関心を持つのは、両資格の給与面での違いです。2025年現在のデータを見ると、以下のような状況となっています。
公認心理師の平均年収は約433万円で、月額では12ヶ月で割った場合、1ヶ月あたりの給与は約36万1千円です。14ヶ月で割った場合(賞与やボーナスを考慮)、1ヶ月あたりの給与は約30万9千円となります。
一方、臨床心理士の平均年収は約459万円、平均月給は約32万円、初任給は約23万円が相場です。年収は2020年426万円、2021年423万円、2022年443万円と上昇傾向にあります。
分野別の給与水準
分野別の給与水準を見ると、公認心理師の場合、保健医療・福祉分野では常勤勤務の月収は20~25万円が最も多く、教育分野では20万円未満、産業・労働分野では20万円未満から30~35万円とバラつきがあります。司法・犯罪分野では30~35万円と40~45万円、50~100万円と大きくバラついています。
両資格の年収水準は似通っており、どちらも300万~400万円未満の方が最も多く、次いで200万~300万円未満となっています。公認心理師と臨床心理士の年収差は約26万円ですが、職業や年代、雇用形態によって年収に差が出ることを考えると、実質的には同程度と考えて問題ないでしょう。
年収向上の方法
年収向上の方法として、以下のような取り組みが有効です。特定の分野でのスキルアップを図ることで、どの職業分野であっても勤続年数が長くなるほど専門業務が増え、給与が高くなる傾向があります。
また、臨床心理士だけでなく公認心理師の資格も取得することで、国家資格も保持することになるため、カウンセラーとしての信頼を得やすくなり、転職の際も有利になります。逆に、公認心理師取得者が臨床心理士も取得することで、より幅広い活動が可能になります。
教育分野におけるスクールカウンセラーとしての活躍
スクールカウンセラーとしての位置づけ
教育分野は、公認心理師と臨床心理士の両方が重要な役割を果たしている分野の一つです。特にスクールカウンセラーとしての活動は、両資格の専門性を最大限に活かせる重要な職域となっています。
2025年現在、文部科学省の「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」によると、スクールカウンセラーとして選考される対象は「公認心理師、臨床心理士、精神科医、児童心理に造詣の深い大学教員、及び都道府県等が上記の者と同等と認めた者」となっており、両資格が明確に同等の価値を持つものとして位置づけられています。
現在の教育現場の課題
現在の教育現場では深刻な問題が増加しています。2022年度の小中学校の不登校生徒数は29万9,000人と過去最多を記録しており、いじめの問題、友人関係・親子関係・学習関係の悩み、発達障害・精神疾患の疑い、自傷行為など、様々な複雑な問題に対応する必要があります。
スクールカウンセラーは、これらの問題に対して当事者である児童・生徒だけでなく、保護者、教職員を含めて幅広く相談に応じ、必要に応じて外部の専門機関とも連携しながら問題解決を図る極めて重要な役割を担っています。
公認心理師と精神保健福祉士との違い
専門性の違いと役割分担
医療現場において、公認心理師と混同されやすい専門職として精神保健福祉士があります。両者は心の健康に関わる専門職でありながら、その役割と専門性には明確な違いがあります。
公認心理師は「心に問題を抱える本人または周囲の人」が支援の対象であり、心理的な問題に対してのアプローチがメインとなります。心理的な問題があって支援を望んでいるクライエントの心理状態を分析し、助言や指導を行います。行動観察や心理テストなどから心理査定を行い、さまざまな心理療法によって問題解決をサポートします。
一方、精神保健福祉士は「精神疾患の患者やその家族、周囲の人」が支援の対象となり、心の問題によって困難になった「日常生活」をサポートするのがメインです。精神障がい者に対して、地域社会や日常生活への適応のための相談対応や助言などのサポートを行い、社会復帰などの目標達成のための計画作成や、必要に応じて行政などの支援サービスにつなげる業務を行います。
チーム医療における連携
医療現場でのチーム医療においては、精神科の専門病院で精神疾患を抱える患者や家族に対して、精神保健に関する相談や入退院の援助、退院後のサポートを行う際に、主治医、看護師、作業療法士、臨床心理士など院内の他職種との連携が極めて重要となります。
近年は、精神保健福祉士としての専門的な知識に加え、公認心理師の資格を持つダブルライセンスの専門家が増えています。これにより、クライエントの心理状態をより深く理解し、適切な支援を行うことが可能になり、他職種とのコミュニケーションや連携もよりスムーズに進められるとされています。
独立開業・カウンセリングルーム運営の可能性
開業の基本手続きと注意点
公認心理師と臨床心理士の両資格とも、独立開業してカウンセリングルームを運営することが可能です。2025年現在、心理カウンセラーとしての独立開業は比較的参入しやすい分野とされていますが、成功には十分な準備と戦略が必要です。
開業の基本手続きは比較的簡単で、特に法律による厳しい規制はありません。税務署で開業届を提出し、氏名や納税地、事業の概要などを記入するだけで手続きは完了します。A4用紙1枚のみで、数分で完了する簡易な手続きです。
ただし、重要な注意点として、「○○クリニック」などの医療機関を連想させる文言を使用することは禁じられています。法律上、カウンセリングは医療行為にはあたらないため、精神科・心療内科と誤解される可能性のある名称での開業は認められていません。
開業形態の選択肢
2025年現在のカウンセリングルーム開業は、大きく分けて3つの形態があります。対面のみ、オンラインのみ、対面とオンラインの両方を実施するカウンセリングルームです。それぞれに異なる特徴とメリットがあります。
自宅での開業の場合、電話、パソコン、プリンターなどのOA機器に加え、名刺などのツールがあれば開業が可能です。初期費用を抑えることができる一方で、クライエントのプライバシーには十分な注意を払う必要があります。基本的には、家族等の同居人が不在の時間帯のみの使用が推奨されます。
オンライン開業は、インターネットを通してカウンセリングを行う業態であるため、オフィスを持たず自宅で始めることができます。顧客にとっても、対面に比べて心理的な抵抗が少ないという利点があり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、この形態の需要が大幅に増加しています。
開業成功のポイント
開業時の重要なポイントとして、立地・場所選びがあります。オンライン、対面に関わらず開業する際には様々なリサーチが必要です。競合の状況、人口、交通の便、近隣の医療機関、立地条件などを念入りに調査する必要があります。
屋号の決定においては、検索に引っ掛かりやすい名前を選ぶことが推奨されています。例えば広島でカウンセリングルームを開業予定の場合、「カウンセリング」と「広島」を屋号に含めることで、インターネット検索での発見率を高めることができます。
専門性の明確化も成功の重要な要素です。認知行動療法専門、抑うつ専門、子ども専門など、ターゲットとするクライエント層を明確にしてコンセプトを策定することが重要です。この専門性により、他のカウンセラーとの差別化を図ることができます。
独立開業の現実と課題
経営スキルの重要性
独立開業には理想的な側面もありますが、現実的な課題も多く存在します。カウンセラーの仕事はカウンセリングだけではありません。開業当初は、カウンセリングルームの運営、顧客管理、集客、経理、マーケティングなど、多くの業務を一人でこなす必要があります。
実際に、医師や弁護士、税理士といった高度な専門資格を持つ専門家でも、独立後に廃業するケースは少なくありません。資格を保有していることは確かに有利ですが、経営の技術がなければ、独立開業しても資格を活かすことは困難です。
成功のための重要な要素として、「事業を軌道に乗せるための技術」が挙げられます。これには、マーケティング、顧客関係管理、財務管理、時間管理など、様々なビジネススキルが含まれます。
市場環境と収入の現実
また、カウンセリング業務の特性上、クライエントとの信頼関係構築に時間がかかり、口コミや紹介による顧客拡大には長期間を要することが多いです。したがって、開業初期の収入不安定期を乗り越えるための十分な資金準備が不可欠です。
2025年現在、メンタルヘルスに対する社会的関心は高まっており、心理カウンセリングの需要は増加傾向にあります。特に、新型コロナウイルス感染症の長期化により、不安やうつなどの心理的問題を抱える人が増加しており、専門的な心理的支援の必要性が高まっています。
複数資格取得(ダブルライセンス)のメリット
キャリアの選択肢拡大
複数の関連資格を取得することで、様々なメリットが得られます。ダブルライセンスを持つことで、働き方の選択肢が広がり、公的機関や民間企業、独立しての開業など、より自分に合ったキャリアパスを選ぶことが可能になります。
また、キャリアアップの機会も増え、専門性の幅が広がることで、より複雑で多様なケースに対応できるようになります。給与面においても、複数の資格を持つことで評価が高くなる傾向があり、転職の際も有利になることが多いとされています。
近年は、公認心理師と臨床心理士の組み合わせ、公認心理師と精神保健福祉士の組み合わせなど、様々なダブルライセンスを持つ専門家が増加しており、これらの専門家が心の健康に関わる多様なニーズに応えています。
将来性と選択指針
資格選択の指針
2025年現在の状況を総合的に判断すると、心理職を志す方にとって以下のような選択指針が考えられます。
医療分野での活動を重視する場合は、公認心理師資格の取得が必須となります。診療報酬制度との関連で、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。
一方、継続的な専門性の向上を重視し、定期的な研修を通じて最新の知識と技術を身につけたい場合は、臨床心理士の更新制度が有効です。
理想的には、両方の資格を取得することで、それぞれの強みを活かしながら、幅広い分野で活躍することが可能になります。多くの専門家が実際にこの選択肢を選んでおり、キャリアの柔軟性と専門性の両立を図っています。
今後の展望
資格選択においては、自分の将来のキャリアビジョン、専門としたい分野、働き方の希望などを総合的に考慮することが重要です。また、心理職は継続的な学習と自己研鑽が求められる職業であることを理解し、長期的な視点でキャリア形成を考えることが成功への鍵となるでしょう。
将来的には、公認心理師の制度がさらに整備され、心理的支援がより広範囲で保険適用されることが期待されています。一方で、臨床心理士の専門性と実績も引き続き重要な価値を持ち続けるでしょう。
心の健康に対する社会的需要が高まる中で、専門性を持った心理職の役割は今後ますます重要になるでしょう。両資格の特徴を理解し、継続的な学習と実務経験の積み重ねにより、社会に貢献できる専門家として成長していくことが、心理職としての成功の鍵となるのです。
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