障害年金の保険料納付要件において、免除期間は保険料納付済期間と同等にカウントされます。全額免除でも一部免除でも、障害年金の納付要件を計算する際には「1か月の免除期間=1か月の納付済期間」として同じ扱いを受けます。保険料納付要件には「3分の2要件」と「直近1年要件」の2つの基準があり、いずれか一方を満たせば要件を充足したことになります。
障害年金を受給するには「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態該当要件」の3つの要件をすべて満たす必要がありますが、保険料納付要件は多くの方が見落としやすく、誤解されやすい要件です。特に免除期間の扱いやカウント方法、具体的な計算の仕方を正確に理解しておくことは、障害年金の請求を検討するうえで非常に重要となります。この記事では、保険料納付要件の全体像から免除期間の種類やカウント方法、具体的な計算例、注意すべきポイントまで、わかりやすく解説していきます。

障害年金の保険料納付要件とは
保険料納付要件の基本的な仕組み
保険料納付要件とは、障害年金を受給するために年金保険料をどの程度納めているかの基準を定めたものです。年金制度は社会保険制度であるため、保険料を適切に納付していることが給付を受けるための前提条件となっています。これは民間の保険で保険料を支払っていなければ保険金が支払われないのと同じ考え方です。
保険料納付要件には3分の2要件(原則)と直近1年要件(特例)の2つの基準があります。このいずれか一方を満たしていれば、保険料納付要件を充足したことになります。
保険料納付要件が重要な理由
保険料納付要件を満たしていなければ、どれほど重い障害状態にあっても障害年金を受給することはできません。1か月でも不足すれば不支給処分を受けることになるため、障害年金の請求手続きに入る前に、年金事務所等で保険料の納付状況を必ず確認しておく必要があります。
また、保険料納付要件の判定は「初診日の前日」時点で行われます。初診日以降に保険料を納付したり免除申請をしたりしても、納付要件の充足には反映されません。この点は非常に重要なポイントです。
3分の2要件の内容と計算方法
3分の2要件とは
3分の2要件とは、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が全体の3分の2以上あることを求める要件です。言い換えると、被保険者期間全体のうち未納期間が3分の1以下であることが条件となります。
ここでいう被保険者期間とは、公的年金制度に加入していた期間のことです。具体的には、国民年金第1号被保険者期間(自営業者、学生、無職の方など)、国民年金第2号被保険者期間(厚生年金保険の被保険者である会社員や公務員で、20歳前と60歳から65歳までの期間も含む)、国民年金第3号被保険者期間(第2号被保険者に扶養されている配偶者)、そして昭和61年3月31日以前の厚生年金・共済年金の加入期間が含まれます。
3分の2要件の計算手順と具体例
3分の2要件の計算は、まず初診日の属する月の前々月までの被保険者期間の月数を確認し、次にそのうちの保険料納付済月数と保険料免除月数を合算します。そして、合算した月数が被保険者期間全体の月数の3分の2以上であるかを確認するという手順で行います。
具体的な計算例を見てみましょう。20歳から国民年金に加入し、初診日が49歳3月15日の場合、被保険者期間は20歳0か月から49歳1月までの349か月となります。前々月までの計算となるため、49歳1月分までが対象です。3分の2の基準は349か月×2/3=約232.67か月ですので、233か月以上の納付済期間と免除期間の合計が必要です。仮に保険料納付済期間が280か月、免除期間が30か月であれば、合計310か月となり233か月以上を満たすため要件を充足します。一方、保険料納付済期間が150か月、免除期間が50か月の場合は合計200か月にとどまり、233か月に届かないため要件を満たしません。
もう一つの例として、20歳から国民年金に加入し初診日が25歳6月10日の場合を考えます。被保険者期間は20歳0か月から25歳4月までの64か月で、3分の2の基準は64か月×2/3=約42.67か月、つまり43か月以上が必要です。保険料納付済期間が40か月、学生納付特例による免除期間が20か月あれば、合計60か月で43か月以上を満たします。
判定期間が「前々月まで」とされる理由
保険料納付要件の判定期間が「初診日の属する月の前々月まで」とされているのは、国民年金保険料の納付期限が「翌月末日まで」と定められているためです。初診日の前月分の保険料はまだ納付期限が到来していない可能性があるため、その月は判定対象から除外されています。
直近1年要件による保険料納付要件の特例
直近1年要件の内容と条件
直近1年要件は、3分の2要件を満たさない場合の救済措置として設けられた特例です。初診日において65歳未満であり、かつ初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないことの2つの条件を両方満たす場合に、保険料納付要件を充足したものとして扱われます。
過去に長期間の未納があったとしても、直近の1年間に未納がなければ納付要件をクリアできるという点で、非常に重要な救済措置です。
直近1年要件の具体的な判定例
初診日が令和7年8月30日の場合を例にとると、判定対象期間は令和6年6月分から令和7年6月分までの1年間(12か月)です。この12か月すべてが保険料納付済期間または免除期間であれば、直近1年要件を満たします。
厚生年金に加入している会社員の場合、保険料は給与から天引きされるため未納が発生しません。直近1年間に会社勤めをしていた方は、この要件を容易に満たすことができます。同様に、第3号被保険者(会社員の配偶者に扶養されている方)の期間も保険料納付済期間として扱われるため、直近1年間が第3号被保険者期間であれば要件を満たします。
実務上は、直近1年要件の確認のほうが簡便であることから、まずこちらを満たすかどうかを検討するのが一般的です。3分の2要件は、直近1年要件を満たさない場合に改めて確認する流れとなります。
直近1年要件の期限延長と最新の動向
直近1年要件は、昭和60年の法改正において当初は平成8年までの10年間の時限措置として設けられました。その後3度にわたって10年ずつ期限が延長され、直近では令和8年(2026年)3月31日までとされていました。
さらに、2025年6月に可決・成立した年金制度改正法により、この直近1年要件はさらに10年間延長されることが決定しました。これにより、令和18年(2036年)3月31日まで直近1年要件が継続されることになります。
延長の背景として、社会保障審議会年金部会ではいくつかの点が検討されました。この特例によって障害年金の受給につながるケースが現に存在していること、複数回の延長を経て長期間運用されている要件であり制度を前提として考えている被保険者も少なからず想定されること、そして今後の取扱いを検討するにあたっては丁寧に実態を把握する必要があることなどが議論されています。
障害年金における免除期間の種類
法定免除の対象者と条件
国民年金保険料の免除制度は、経済的な理由等により保険料の納付が困難な場合に、保険料の全部または一部の納付を免除する制度です。免除には大きく分けて法定免除と申請免除の2種類があります。
法定免除は、一定の条件に該当する方が届出をすることで自動的に保険料が全額免除される制度です。対象となるのは、生活保護法による生活扶助を受けている方、障害基礎年金または障害厚生年金の1級・2級を受給している方、国立ハンセン病療養所等に入所している方です。障害年金(1級・2級)を受給している方は法定免除の対象となるため、国民年金保険料を納付する必要がありません。ただし、老齢年金の受給額を確保するために免除を受けずに任意で保険料を納付することも可能です。
申請免除の4段階の仕組み
申請免除は、本人・世帯主・配偶者の所得に応じて保険料の免除を受けられる制度です。所得の水準に応じて全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4段階に分かれています。全額免除は保険料の全額が免除されます。4分の3免除の場合は保険料の4分の3が免除され、残りの4分の1を納付する必要があります。半額免除は保険料の半額が免除され残りの半額を納付する必要があり、4分の1免除は保険料の4分の1が免除され残りの4分の3を納付する必要があります。
学生納付特例・納付猶予・その他の免除制度
法定免除・申請免除のほかにも、複数の制度が設けられています。学生納付特例制度は、学生で所得が一定基準以下の場合に在学中の保険料の納付が猶予される制度です。納付猶予制度は、50歳未満の方で本人と配偶者の所得が一定基準以下の場合に保険料の納付が猶予される制度です。
産前産後期間の保険料免除は、出産予定日または出産日の属する月の前月から4か月間(多胎妊娠の場合は3か月前から6か月間)の保険料が免除される制度です。また、特例免除として、退職(失業)や休業、廃業、自然災害による被災、配偶者からの暴力(DV)などにより保険料の納付が困難な場合に利用できる免除制度もあります。
免除期間のカウント方法と障害年金の計算への影響
免除期間は障害年金の納付要件で納付済期間と同等
障害年金の保険料納付要件を判定する際、免除期間は保険料納付済期間と同じようにカウントされます。これは障害年金の納付要件において最も重要なポイントの一つです。法定免除期間、申請免除期間(全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除)、学生納付特例の承認期間、納付猶予の承認期間、産前産後期間の保険料免除期間のすべてが「納付済期間」と同等に扱われます。
全額免除であっても4分の1免除であっても、障害年金の納付要件の計算上は「1か月の免除期間=1か月の納付済期間」として同等にカウントされるのです。
一部免除の場合に注意すべき重要なポイント
一部免除(4分の3免除、半額免除、4分の1免除)を受けた場合、免除されなかった残りの部分を納付する必要があります。この残額を納付しなかった場合、その期間は「未納」として扱われます。
たとえば、4分の3免除が承認された場合でも、残りの4分の1の保険料を納付しなければ、その月は免除期間ではなく未納期間となります。半額免除であれば残りの半額を、4分の1免除であれば残りの4分の3を、それぞれ納付しなければなりません。免除の承認を受けただけでは不十分で、残額の納付が完了して初めて免除期間としてカウントされる点には十分注意が必要です。
免除期間の老齢基礎年金額への反映は障害年金と異なる
障害年金の納付要件では免除の種類にかかわらず「1か月=1か月」として同等にカウントされますが、将来の老齢基礎年金の年金額への反映割合は免除の種類によって異なります。以下の表にまとめました。
| 免除の種類 | 平成21年4月以降の反映割合 | 平成21年3月以前の反映割合 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 全額納付の2分の1 | 全額納付の3分の1 |
| 4分の3免除 | 全額納付の8分の5 | 全額納付の2分の1 |
| 半額免除 | 全額納付の4分の3 | 全額納付の3分の2 |
| 4分の1免除 | 全額納付の8分の7 | 全額納付の6分の5 |
学生納付特例期間と納付猶予期間は、受給資格期間には算入されますが老齢基礎年金の年金額には反映されません。ただし、これはあくまで老齢基礎年金の計算における話であり、障害年金の保険料納付要件の判定においては免除の種類による違いはありません。
合算対象期間(カラ期間)の扱い
合算対象期間(通称「カラ期間」)とは、年金額には反映されないものの受給資格期間に含めることができる期間のことです。代表的な例としては、1961年4月以降に海外に居住していた期間、1991年3月以前に学生であって国民年金に任意加入しなかった期間、1986年3月以前に国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった期間(被用者年金の配偶者など)、厚生年金保険の脱退手当金を受けた期間があります。
障害年金の保険料納付要件において、合算対象期間は未納期間とはみなされません。特に直近1年要件の判定ではカラ期間がある月は未納としてカウントされないため、納付要件の充足にプラスに働きます。ただし、カラ期間であることの証明は必要です。
被保険者の種別による保険料納付要件の違い
第1号被保険者(自営業者・学生など)の場合
第1号被保険者は自分で国民年金保険料を納付する必要があるため、経済的な理由や手続きの失念により未納が発生しやすく、保険料納付要件を満たせないリスクが最も高い類型です。保険料の納付が困難な場合は必ず免除申請や納付猶予の手続きを行うことが重要です。免除や猶予の承認を受ければその期間は未納とはならず、障害年金の保険料納付要件において納付済期間と同等にカウントされます。
第2号被保険者(会社員・公務員)の場合
第2号被保険者の保険料は事業主が給与から天引きして納付する仕組みになっているため、在職中は保険料の未納がほぼ発生しません。初診日が在職中であれば直近1年要件を容易に満たすことが多いです。障害の程度が1級・2級に該当する場合は障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給でき、3級の場合でも障害厚生年金を受給できます。
ただし、退職後に国民年金への切り替え手続きを忘れ、未納期間が発生するケースには注意が必要です。転職時や退職時には速やかに種別変更の手続きを行うことが大切です。
第3号被保険者(被扶養配偶者)の場合
第3号被保険者は、配偶者が加入する年金制度が保険料を負担するため、本人が保険料を納付する必要がありません。第3号被保険者の期間は保険料納付済期間としてカウントされます。
ただし、配偶者の退職や離婚などにより第3号被保険者の資格を喪失した場合は、速やかに第1号被保険者への種別変更届を提出する必要があります。この届出を怠ると「不整合期間」が発生し未納期間として扱われる場合があります。障害年金の納付要件は初診日の「前日」までの状況で判定されるため、第3号被保険者としての届出が初診日より前に完了していることも重要です。
障害年金の保険料納付要件で注意すべきポイント
「初診日の前日」で判定される理由
保険料納付要件は初診日の前日時点での保険料の納付状況で判定されます。「前日」とされているのは、初診日当日に慌てて保険料を納付する、いわゆる「駆け込み納付」を防止するためです。初診日以降に遡って保険料を納付したり免除申請を行って承認を受けたりしても、その期間は障害年金の保険料納付要件においてカウントされません。
初診日後の追納・免除申請は障害年金に無効
年金保険料は納付期限から2年以内であれば追納が可能ですが、初診日以降に追納した保険料は障害年金の保険料納付要件を満たすためには使えません。初診日後の追納は老齢基礎年金の受給額を増やす効果はありますが、障害年金の納付要件の充足には一切反映されません。同様に、初診日以降に免除申請を行って承認を受けた期間も、障害年金の保険料納付要件においては免除期間としてカウントされません。
20歳前に初診日がある場合は納付要件不要
20歳前に初診日がある場合には、保険料納付要件は問われません。国民年金の保険料は20歳から納付する仕組みであり、20歳前には保険料を納めることができないためです。20歳前に初診日がある方は「20歳前傷病による障害基礎年金」として保険料納付要件なしに障害年金を受給できますが、所得制限が設けられている点が特徴です。
なお、20歳前であっても厚生年金に加入していた場合(たとえば18歳で就職して厚生年金の被保険者となった場合)は、障害厚生年金の支給のために保険料納付要件が問われることがあります。
加入直後に初診日がある場合の扱い
初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がない場合(加入直後に障害を負った場合)は、保険料の滞納にはあたりません。たとえば、令和3年1月に国民年金の資格を取得し初診日が令和3年3月の場合、判定対象期間は令和3年1月分のみとなり、その1か月分を納付していれば要件を満たします。
障害年金の年金額の計算方法
障害基礎年金の年金額
障害基礎年金の年金額は定額であり、1級は老齢基礎年金の満額×1.25、2級は老齢基礎年金の満額と同額です。これに加え、受給権者に生計を維持されている子がいる場合は子の加算が行われます。令和7年度の金額では、第1子・第2子は各239,300円、第3子以降は各79,800円です。子の加算の対象となるのは、18歳到達年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子です。
障害厚生年金の年金額と300月みなし
障害厚生年金の年金額は報酬比例の年金額をもとに計算されます。報酬比例部分は「平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数」と「平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数」を合算して求めます。
「平均標準報酬月額」とは平成15年3月までの各月の標準報酬月額の総額を被保険者期間の月数で割った金額であり、「平均標準報酬額」とは平成15年4月以降の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を被保険者期間の月数で割った金額です。
被保険者期間の月数が300月(25年)未満の場合は300月として計算される「300月みなし」の規定があり、加入期間が短い方への保障措置となっています。
等級別の支給内容は以下の表のとおりです。
| 等級 | 支給内容 |
|---|---|
| 1級 | 報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金+障害基礎年金1級 |
| 2級 | 報酬比例の年金額+配偶者加給年金+障害基礎年金2級 |
| 3級 | 報酬比例の年金額(最低保障額あり、配偶者加給年金なし) |
配偶者加給年金は受給権者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に加算されます。
免除期間と未納期間の決定的な違い
障害年金・老齢年金・遺族年金における扱いの違い
免除期間と未納期間は、障害年金の保険料納付要件において全く異なる扱いを受けます。免除期間は保険料納付済期間と同等にカウントされ納付要件の充足に有利に働く一方、未納期間は納付要件の充足に不利に作用し、未納が多いと要件を満たせなくなります。
たとえ経済的に困窮して保険料を1円も払えない状態であっても、全額免除の手続きさえしていれば障害年金の保険料納付要件上は保険料を全額納付した場合と全く同じ扱いを受けます。
老齢基礎年金においても、免除期間は受給資格期間に算入され年金額にも一定の割合で反映されますが、未納期間は受給資格期間に算入されず年金額にも一切反映されません。遺族基礎年金・遺族厚生年金の保険料納付要件においても、障害年金と同様に免除期間は納付済期間と同等にカウントされます。
免除手続きを必ず行うべき理由
保険料の納付が困難な場合は、絶対に「放置して未納」にしてはいけません。必ず免除申請や納付猶予の手続きを行うべきです。免除の手続きをしていれば、万が一の障害や死亡の際に障害基礎年金や遺族基礎年金を受給できる可能性が維持されますが、未納のままではこれらの給付を受けられなくなるおそれがあります。
特に若い世代の方は「自分にはまだ関係ない」と思いがちですが、障害年金は病気やけがによる障害に備える制度であり、年齢に関係なく必要になる可能性があります。
追納制度と障害年金の保険料納付要件の関係
追納制度とは、免除や猶予の承認を受けた期間の保険料について後から遡って納付できる制度で、承認を受けた月の前10年以内の免除等期間が対象です。追納を行うことで老齢基礎年金の年金額を増やすことができますが、障害年金の保険料納付要件との関係では注意が必要です。
初診日の前日よりも前に追納を完了していれば、その期間は保険料納付済期間としてカウントされます。しかし、初診日以降に追納しても障害年金の保険料納付要件上は反映されません。また、追納は承認を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降は当時の保険料に加算額がつくこと、古い期間から順に行う必要があることも覚えておきたいポイントです。
障害年金の保険料納付要件を確認する方法
ねんきん定期便と年金事務所の活用
保険料の納付状況を確認するには、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」が参考になります。ねんきん定期便には保険料の納付記録が記載されており、納付済期間や免除期間を確認できます。ただし概要的な情報にとどまるため、障害年金の請求を検討する場合は年金事務所で詳細な納付記録を確認することが大切です。
年金事務所では、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間の月数、保険料納付済期間の月数、保険料免除期間の月数(免除の種類ごとの内訳)、未納期間の月数、3分の2要件を満たすかどうか、直近1年要件を満たすかどうかを確認できます。窓口で本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)を提示することで詳しい記録を見ることが可能です。
社会保険労務士への相談が有効なケース
保険料納付要件の判定は複雑なケースもあるため、不安がある場合は社会保険労務士への相談も有効です。特に初診日が複数の可能性がある場合、転職が多く年金の種別変更が頻繁に行われている場合、過去にカラ期間がある可能性がある場合、第3号被保険者の届出漏れの可能性がある場合などでは、専門家の助言が大いに役立ちます。
障害年金の保険料納付要件と免除期間についてよくある疑問
障害年金の保険料納付要件に関して多くの方が疑問に思うポイントについて、整理して解説します。
学生納付特例を受けた期間が障害年金の納付要件でカウントされるかという疑問については、学生納付特例の承認期間は保険料納付済期間と同等に扱われます。ただし、老齢基礎年金の年金額には反映されない点は異なります。
免除の種類(全額免除・半額免除など)によって障害年金の納付要件への影響が変わるかという点については、免除の種類にかかわらずすべて同等にカウントされます。全額免除でも4分の1免除でも、1か月は1か月として計算されます。
初診日が分からない場合の対応については、過去の医療機関の受診記録やお薬手帳、健康保険の診療報酬明細書(レセプト)などから初診日を特定する作業が必要です。初診日が確定しないと保険料納付要件の判定もできないため、まずは初診日の特定を優先します。
厚生年金加入中に初診日がある場合に保険料納付要件が自動的に満たされるかについては、厚生年金加入中は保険料が給与から天引きされるため未納は原則発生しません。65歳未満であれば直近1年要件を容易に満たせますが、過去に長期の未納期間がある場合は3分の2要件を別途確認する必要があります。
保険料の未納期間があっても障害年金を受給できるかという疑問に対しては、3分の2要件または直近1年要件のいずれかを満たせば受給可能です。また20歳前に初診日がある場合は保険料納付要件自体が問われません。未納があるからといって直ちに受給不可とは限りませんので、まずは年金事務所で詳しい納付状況を確認することが重要です。
直近1年要件における「直近1年間」の起算点については、初診日の属する月の前々月から遡って1年間です。たとえば初診日が令和7年8月の場合、令和6年6月分から令和7年6月分までの12か月間が対象期間となります。
まとめ
障害年金の保険料納付要件は、3分の2要件と直近1年要件の2つがあり、いずれかを満たせば要件を充足します。免除期間(全額免除、一部免除、学生納付特例、納付猶予など)は障害年金の保険料納付要件において保険料納付済期間と同等にカウントされますが、一部免除の場合は残額を納付していることが条件です。
保険料納付要件の判定は「初診日の前日」時点で行われるため、初診日以降の追納や免除申請は無効となります。直近1年要件は2025年の法改正により令和18年(2036年)3月31日まで延長されることが決定しました。
保険料の納付が困難な場合は必ず免除や猶予の手続きを行い、未納にしないことが極めて重要です。免除手続きをしておくだけで、将来の障害年金の受給権を守ることができます。障害年金の請求を検討している方は、まず年金事務所で詳しい納付記録を確認し、必要に応じて社会保険労務士にも相談することをお勧めします。

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